アンカーの基本性能の確認試験結果
●原位置におけるアンカー体の掘りだし確認試験
原位置におけるアンカー施工後,アンカー体を掘りだし観察を行っています。
アンカー体径は,砂礫層に定着した場合には削孔径の1.6〜2.1倍,土丹層では1.1倍程度となっていることが確認されました。
また,アンカー定着部のグラウトの被り厚さは,いずれの断面においても20mm以上あることも確認されています。
砂礫層に定着したアンカー | |
原位置の掘り出し観察![]() |
定着部の切断断面![]() |
土丹層に定着したアンカー | |
原位置の掘り出し観察![]() |
定着部の切断断面![]() |
●耐久性能試験
アンカーの耐久性能を確認するために,海水飛沫地帯で二年間に亘る暴露試験を実施しています。
その結果,実際には考えられないほど過酷な条件下にあっても,多重防錆効果によって,引張り材はもとより内部部材にも錆が発生していないことを確認しました。
さらに,構成部材の機械的性質にも変化が無く,十分な耐久性を有することが確認されています。
海水飛沫地帯への2年間の暴露試験の状況![]() |
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二年後の頭部キャップの外観![]() |
二年後の頭部キャップ内部の状況![]() |
●基礎試験 − グラウトの耐酸性試験 −
酸性土壌の腐食環境下におけるグラウトの物性を調査するため,pH3硫酸溶液,pH5硫酸溶液,および水道水にセメントグラウト試験体を浸漬し,物性の変化を調査しました。
pH3の硫酸溶液の場合には曲げ強度と圧縮強度が低下しているのに対して,pH5の硫酸溶液の場合には水道水に浸漬したものと比べてほとんど性能の低下は認められず,浸食を受けないことを確認しています。
硫酸溶液にグラウト試験体を浸漬している状況![]() |
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